2018年8月25日土曜日

イタリア映画 今年で55年。忘れないで。【おすすめ第9弾 プロジェクトⅤ (バイオント)】

イタリア映画おすすめ第九弾
プロジェクトⅤ (バイオント) 
原題 Vajont (2001)


レンツォ・マルティネッリ監督

出典:Stefano Petri:
ロンガローネから見えるバイオントダム




イタリアの北東部にあるバイオントダムの名前を聞いたことがありますか?



建築やエンジニアリングを勉強した人は

聞いたことがあるかも
しれませんが、
普通は
聞いたことありませんよね。


この映画では


ほんとにあった想像を絶する
人災による被害が起こる過程を
もとに
ドキュメンタリータッチで
何がここで起こったかを
描いています。



ヴェネチアからドロミテへ続く
ピアヴェ川沿いの道から
今でも見ることができる
このダム。



考えられない悲劇。
その後、
人災でありながら
誰も罪にとらわれていない事実。

忘れてはいけない教訓。

あなたも一体あの時
なにが起こったのか
知って下さい。


約2000人の命と故郷が

一瞬にして奪われてしまいました。


娯楽映画ではありません。
でも
イタリアに興味がある人。
ぜひ見て下さい。


あらすじ

時は1959年
現在のイタリアの北東部
フリウリ州とヴェネト州の境にある
バイオント渓谷が舞台。

電力会社SADEは

バイオント川と
ピアヴェ川とが合流する地点の
少し手前にある
バイオント谷の幅が狭まった地点に、

イタリアの最先端技術を駆使し、

会社が所有するダムの中で
最も大きく、
堤高が世界一の
ダムの建設をすすめている。

しかし、

バイオント川とピアヴェ川の
合流地点にある街、
ロンガローネでは
ダム建設反対の活動が
ウ二タ新聞の記者
ティナ・メルリン(ラウラ・モランテェ)とともに
行われている。



工事がほとんど完了したころ、


建設中のダムの近くにある

ポンテセイダムに
山の一部が崩落し、

20mの高さの波を起こし、

従業員一人が亡くなった。

SADEはこれを受け、

緊急会議を開いたが、

この地域ドロミテで

一番のエキスパート
ジョルジョ・ダル・ピアツ教授の
地質調査結果に
基づいて
バイオントダム建設は
安全であるとした。


その後、

ダム建設地域で
地割れが発見されたりするが、

表面的なものであって、

危険を警告するものではないとの
教授の意見で
またも
工事は進められることになる。


たくさんの予兆、警告があったにも

かかわらず、
結局
この悲劇が
起こることになる。






プロジェクトV [DVD]
 












まとめ



個人的なことですが
年に数十回このダムがみえる道を通ります。
この映画を見たのはまだ
この道を初めて通る前でした。


今でも残るダムの
コンクリートの壁を
車から覗きながら
つい
当時を思ってしまいます。


ダムは現在ガイドとともに
説明をうけながら
見学することができ
ダムの上を歩けます。


被害にあった村の一つ
エルタは
以前より高台に村を再築していますが
やっぱり寂しい感じです。


イタリアで有名な
作家マウロ・コロナも
現在この村にもどり
暮らしています。

強烈な個性とドロミテの自然と共存する

コロナ氏はイタリアでは
有名で物まねをテレビ番組でされたりも
しています。


彼の口からもたびたび
このバイオントダムの災害について語られます。


近頃起こった
ジェノバでの橋の崩落もそうですが
教訓をむだにしてほしくない。




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