2018年8月10日金曜日

イタリア映画おすすめ 俳優編 【第2弾 マルチェロ・マストロヤンニ】




イタリア映画おすすめ俳優編の第二弾は
有名すぎるけれど、どうしても紹介したい

マルチェロ マストロヤンニ!

出典:Wikipedia:「汚れなき抱擁」”Il bell'Antonio”(1960)



マルチェロ・マストロヤンニについてのおさらい。



1924年生まれ1996年没


イタリア北部

現在のフロジノーネ県で生まれ、

ローマとトリノで育つ。


デ・シーカ監督の映画に

子役エキストラとして出演したり、

ローマに家族で引っ越した後は

エキストラとして仕事を見つけていた。

その後

戦争がはじまり、

第二次世界大戦を

兵士として体験している。

1943年に捕虜されるが、

脱出に成功し
1945年までヴェネツィアで過ごした。
 
戦後、
ローマ大学の
演劇センターのレッスンに通い始め
俳優としての第一歩を
改めて踏み出した。

この学校で

シルバーナ・マンガーノと出会った。
その後、
お付き合いしているたようです。


デビュー


1948年

「イ・ミゼラビリ」リカルド・フレダ監督
原作「レ・ミゼラブル」ヴィクトル・ユーゴー著

そのころ、劇場でも出演をはたす。


フェデリコ・フェリーニ監督による


「甘い生活」(1960)と

「81/2」(1963)によって
国際的に”ラテン系プレイボーイ”としての
役柄で有名になりました。

本人はこのイメージを変えたいと、

1961年には
「汚れなき抱擁」に出演するが、
結局
晩年までこのイメージが残ることになります。


1960~1970年代にかけて、


フェデリコ・フェリーニ監督作品に

ソフィアローレンとコンビで出演し、
一世を風靡した。



出典:Wikipedia:「あゝ結婚」(1964)

それでも、

三枚目のお茶目な様子を醸し出し、

性格俳優、演技派として認められていく。




代表作品



出典:Wikipedia:「甘い生活」”La dolce vita”(1960)



準備はよろしいでしょうか。
いっぱいあります。

「甘い生活」と「ひまわり」から

見始めてはどうでしょうか。

戦争を題材にしたものは、

彼本人が実際に第二次世界大戦を
経験しことを念頭にみてみると
より感慨深いように思います。

初期の作品は

やっぱり見た目の美しさに
にっこりしてしまいます。





・「白夜」(1957年)



ルキノ・ヴィスコンティ監督作品。

原作 「白夜」ドストエフスキー



・「甘い生活」(1960年)





フェリーニ監督作品。
これを見ると、
あなたもローマに行きたくなります。
まるで、
夢を見ているようなシーンが
いつまでも心に残ります。


・「汚れなき抱擁」(1960年)


マストロヤンニはアントニオ役で

プレイボーイの印象を
払拭したかったようですが、
プレイボーイのイメージは
びくともしなかったそうです。




・「夜」(1960年)




ミケランジェロ・アントニーニ監督。

当時数々の賞を受賞。
今までのエンターテイメントとしての映画を脱し、
芸術的、革新的な映画とされる。





・「イタリア式離婚狂奏曲」(1962年)


ピエトロ・ジェルミ監督。
カトリック教会のもと

離婚が法律で禁止されていたころが舞台。
だからといって、
こういう方向に考えが発展するとは、
不合理な状況を皮肉ったコメディー。
マルチェッロが役のなかでも熱演。


・「81/2」(1963年)




フェリーニ作品。

不思議な世界を感じる。
フェリーニ好きには
たまらないのでは?







出典:Wikipedia:「昨日 今日 明日」の
お茶目なマルチェロのシーン

・「昨日、今日、明日」(1963年)





ヴィットリオ・デ・シーカ監督作品。
コメディー。
ここでもソフィア・ローレンとのコンビ。
マルチェロ・マストロヤンニのお茶目さが爆発。


ちなみにソフィア・ローレンは健在で、

時々、
テレビのニュースでも見かけるが、
遠くから見ると全然変わらない。
彼女の堂々とした姿からオーラが見える。




・「あゝ結婚」(1964年)





ソフィア・ローレンとのコンビ。
マルチェロ・マストロヤンニは
この役でも女性のファンを
失わなかった。
許してしまう女ごころ。

ソフィア・ローレンの役ににじみ出る

心の強さがすばらしい。





・「華麗なる殺人」(1965年)





原作 SF作家 ロバート・シェクリー「七番目の犠牲者」
21世紀が舞台の近未来サスペンスコメディー、娯楽映画。


・「恋人たちの場所」(1968年)






ヴィットリオ・デシーカ監督。

フェイ・ダナウェイと共演。
ほんとの恋人と演じたメロドラマ。




・「ひまわり」(1969年)





ソフィアローレンが素晴らしい。
切ない映画。
ほんまに。
戦争反対。



・「結婚宣言」(1971年)





ディノ・リージ監督。ソフィア・ローレンと共演のコメディー。
北イタリアパドヴァが舞台。
カトリックの神父さんは
結婚が許されていないんですよね。




・「ひきしお」(1971年)






カトリーヌ・ドヌーブとは
実生活でパートナーとなりました。
女優キラーですね。


・「ポランスキーの欲望の館」(1972年)





ロマン・ポランスキー監督。
アマルフィで撮影されたコメディー。
原題は”Che?”
「なんじゃこりゃ」という感じでしょうか。
はい。そんな感じです。




・「モン・パリ」(1973年)





ジャック・ドゥミー監督。
カトリーヌ・ドヌーブと共演のコメディー。
彼女とのコンビは三作目。
地味な感じですが設定が斬新。





・「裂けた十字/ローマの虐殺」(1973年)





「アルデァティーネの悲劇」事件を題材にした戦争映画。
当時この事件で300人以上のイタリア人が虐殺された。
マルチェッロはアントネッロ神父役。
この映画の主役はR・バートン演じるSSカプラー。
カプラーの苦悩。
戦争は理不尽。
戦争を知らない世代、
見てみましょう。



・「最後の晩餐」(1973年)





フランス・イタリア合作。

ブラックコメディー。


グルメな人に興味深いかも。

大人向け。


・「ガンモールおかしなギャングと可愛い女」(1974年)






マルチェッロ・マストロヤンニと
ソフィア・ローレンのコンビで
コメディー。

ファッションにも注目。





出典:Wikipedia:「特別の一日」
シーツをたたむシーンがいい


・「特別な一日」(1977年)





ソフィア・ローレンとの名コンビ。

ファシスト政権下のローマが舞台。


ヒトラーがローマを訪問したその日、

重い雰囲気がのしかかる中の
切ない人と人との関わり。

1984年に日本でも公開。

シーツはこうやってたたむのね。




・「今のままでいて」(1978年)





18歳のナターシャ・キンスキーとの共演。
彼女の美しさを残すために撮影された
映画でしょう。



・「女の都」(1980年)





フェリーニ監督です。
女の後を何も考えずに追いかけると、
こんな世界に入り込むかも。

監督特有のあなたを夢の世界に

連れ去るような感覚が
ここにも見られました。




・「エンリコ四世」(1984年)






マルチェッロの演技が光る。 
歴史物の映画ではありませんのでご注意あれ。
コメディーです。たぶん。
いや。ドラマチックなのかも。



・「ジンジャーとフレッド」(1985年)





フェリーニ監督作品。

長いこと題名を「ジンジャーとブレッド」だと信じていて、

美味しそうな組み合わせだと思い込んでいました。 

正しくは、ジンジャーとフレッド。

しかも、
大スターであったジンジャー・ロジャース&フレッド・アステアという
芸人コンビの名前でした。

監督も、俳優も年を重ねました。

さて、どんな感動を感じることができるのでしょうか。
人によって、受け取り方、感じ方が違うのは素敵なことですね。
あなたは、どうですか。



・「蜂の旅人」(1986年)





テオ・アンゲロプロス監督。
ギリシャが舞台。
老いを迎えた時、
あなたはどうしたいですか。
マルチェッロも年を重ねました。






・「インテルビスタ」(1987年)



ローマのチネチッタ50周年記念に製作された。

インテルビスタとはインタビューという意味のイタリア語。
当時、 
VHSで何度も観たなー。





・「黒い瞳」(1987年)




ニキータ・ミハルコフ監督。



マルチェッロが実らぬ恋に悩みます。

ラブロマンス。
マルチェッロ健在。


・「スプレンドール」(1989年)





エットレ・スコラ監督。
映画を愛する三人の人間模様を描いたドラマ。
映画を愛するすべての人に。





・「BARに灯ともる頃」(1989年)




エットレ・スコラ監督。

今は亡きマッシモ・トロイージと共演。
家族、親子。永遠のテーマですね。
絆。





・「みんな元気」(1990年)

ちらっと出演。
「ニューシネマパラダイス」の続編。


・「こうのとり、たちずさんで」(1991年)


テオ・アンゲロプロス監督。

テオ・アンゲロプロス監督の作品。
国境、人。。。






・「百一夜」(1995年)




アニエス・ヴェルダ監督。

フランス映画。
映画ばんざーい!




・「世界の始まりへの旅」(1997年)




最後の作品。

ポルトガルのマノエル・デ・オリヴェイラ監督との作品。
など約170作品。


もっと

マストロヤンニのことを知りたい人に。


・「マストロヤンニの甘い追憶」






・「マストロヤンニ自伝 わが映画人生を語る」(書籍)




カトリーヌ・ドヌーブとの間に生まれた
娘キアラはフランスで女優として活動


出典:Wikipedia:ヴェニス国際映画祭金の獅子賞経歴賞(1990)

まとめ


二枚目だけどお茶目で憎めない。

女の敵のような役もこなすが、
どうしても許してしまう。

若いころ、
はじめてマルチェッロの出演作品を
観た時、
ショックを受けました。

その後、
友人がイタリア旅行の際、
紹介されたフィレンツェに住む
日本人女性の情報によると、

彼女がパーティーで
マルチェッロに出会い、

なっなんと

手の甲にチュッとされ

なっなんと

「チァオ、ベッラ
とささやかれたという
情報を入手しました。

いいな~。いいな~。

映画でまた会いたい。


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