2018年3月28日水曜日

イタリア モデナ観光 バルサミコ酢 モデナ産 DOP と IGP





モデナ観光 バルサミコ酢 について。

出典:Wikipedia



バルサミコ酢とは何か


モデナ産D.O.P.とモデナ産I.G.P.との違い。

バルサミコ酢工場見学報告。

バルサミコ酢博物館情報。

バルサミコ酢の使い方について。



出典:Wikipedia:バルサミコ酢モデナ産DOP



バルサミコ酢 モデナ産 D.O.P. と バルサミコ酢 I.G.P. (モデナ産)の違い。




バルサミコ酢 モデナ産

コンソルツィオと呼ばれる
バルサミコ酢の協会、組合といったものが
2つあります。


二つのコンソルツィオは
それぞれの役割で
ともにバルサミコ酢を守り普及するのが目的で
対立しているわけではありません。

それを証拠に
ボローニアにあるficoでは
仲良くとなりあって
スタンドを出すことになりました。



コンソルツィオ プロデゥットーリ アンティーケ アチェタイエ(アッチェト バルサミコ トラディツィオナーレ ディ モデナ D.O.P.)

www.balsamico.it
このコンソルツィオは

バルサミコ酢 モデナ産 D.O.P. の組合で、



バルサミコ酢モデナ産の中でも
D.O.P.と名づけられる
伝統的なモデナ産のバルサミコ酢のみの
コンソルツィオです。

高級なもので、
贈り物や特別なときに使うのに適しています。

原材料には葡萄のみ用いられ、
他のものを一切加えず、
自然な製法で最低12年~25年寝かせ

醸造したもの(バルサミコ酢モデナ産D.O.P.)と
最低25年以上寝かして醸造した
(バルサミコ酢モデナ産D.O.P.
エキストラヴェッキオ)の

2種類のバルサミコ酢のみ製造というより、
醸造をし続けています。


小さな家族経営の伝統的な醸造所は
家の屋根裏部屋に設けられています。

私はこのコンソルツィオの
設立時のメンバーである

バルサミコ酢醸造所 マリーサ バルビエリ www.acetaiabarbieri.com
へ見学に行き、
お話をうかがう機会がありました。

後ほど写真を交えて
詳しく説明したいと思います。

バルサミコ酢 モデナ産 (D.O.P.)の博物館
もあります。

Museo del Balsamico Tradizionale di Spilamberto
www.museodelbalsamicotradizionale.org

月曜日休館
火木金土日 10.30-17.30
水     10.30-13.30

入場料
大人一般3€
65歳以上2€
18歳まで無料

バルサミコ酢の博物館は
バルサミコ酢D.O.P.の原材料である
葡萄の栽培地で
モデナ中心街から離れますので、
タクシーか車で行くことになります。




コンソルツィオ トゥテッラ アチェット バルサミコ ディ モデナ 
www.consorziobalsamico.it


バルサミコ酢 モデナ産 I.G.P.


の普及、販売促進などを行っていますが、
同時に
それぞれの会員とコンソルツィオ公認の
バルサミコ酢の工場が
きっちり一定の品質レベルを保ち、
伝統的な製法を行っているのか
監視する役目も果たしています。

D.O.P.のコンソルツィオは
伝統を硬く守ることを主な考えとし、

I.G.P.のコンソルツィオは
伝統を守りながらも
世により普及することを
主な考えとし発足しました。

I.G.P. のコンソルツィオは
偽物の出回るのを防ぐことに力をいれ、

とくにヨーロッパ外では難しかった
偽物との区別をすることができるように
することに力を注いでいます。

I.G.P.は値段もてごろで、
毎日使うのに適しています。


バルサミコ酢I.G.P.は暗い褐色の葡萄酢です。
主な原材料は、
葡萄のしぼり汁、葡萄酢、カラメルです。

これを混ぜ合わせて、
60日間木の樽に入れて休ませます。
その後、熟成させるため、
最低3年寝かせます。

バルサミコ酢の工場見学を受け入れる
バルサミコ酢I.G.P.のモデナの生産工場もあります。

Acetaia Giusti (I.G.P.)
www.giusti.it
Acetaia la bonissima (I.G.P.)
www.acetaialabonissima.it

などコンソルツィオに加盟している
バルサミコ酢の工場で
予約して見学できます。


私が見学した

バルサミコ酢醸造所 D.O.P.


モデナ市内の住宅街にあります。
家の屋根裏部屋

バルサミコ酢DOPの醸造所
になっています。

すでに階段を上がっていくと
バルサミコ酢の香りが
漂ってきました。

屋根裏部屋の
醸造所に着くと
所狭しと置かれた
樽でいっぱいです。







かつてはモデナの川の石灰質な石を重しにして
樽の穴の部分を塞いでいましたが、

現在は衛生面から法律で認められなく
なりました。

樽から蒸発する酸性の成分が
石を溶かしていったそうです。


バルサミコ酢D.O.P.の材料の葡萄


白葡萄 トレッビア-ノ 
カステルヴェートロ丘陵地帯産
が使われます。


製造工程


この葡萄から絞られた
葡萄の果汁を
糖分が発酵して
アルコールが発生する前に

フィルターで漉してから
直火にかけて
ゆっくりと煮込み
濃度を上げます。

この濃度は醸造所によって
大きな違いがあり、
30~70%になるまで煮込んでいきます。

この凝縮した葡萄果汁を
またフィルターにかけて漉し、
冷ましたものを樽に移します。






大きいサイズ60ℓの樽から
小さい樽20ℓまで徐々に
バクテリアの助けをかり
熟成して体積が減るたびに移していきます。

樽を作る木材もそれぞれ
大きさにより異なります。

このプロセスはとても重要で
知識、経験により
丁度良いころ合いを見計らって
実行しなくてはならず、

後にバルサミコ酢の質を
大きく左右することになります。


フィルター


このプロセスを終えると

あとは定期的な検査と
フィルターで漉すことをしながら

醸造者の感性と年月が
バルサミコ酢を育てていくのだそうです。


1800年代の樽。
熟成したバルサミコ酢を保存するのに使う。


コンソルツィオの役割

熟成したバルサミコ酢の質を検査します。

この検査に合格すると、
今度はモデナの商工会議所から
5人のエキスパートが
検査に訪れます。

一斉にしかし個別に
それぞれ味見をし、

各項目に点数をつけ、
その合計が基準を満たすと、

バルサミコ酢D.O.P.として認められます。

これにより、コンソルツィオが

コンソルツィオ公認で唯一の
ガラスの瓶に詰め、

熟成の年数により違う
2種類あるシールの一つで密閉し、

その後、醸造所を示すシールを
瓶の表側に貼り、

やっと
製品として完成します。

醸造所が瓶詰めするのではなく、
コンソルツィオが瓶詰めすることにより
コンソルツィオが品質を
保障しているようです。


特徴

色  暗い褐色で照りがある。

濃度 適度なゆるいシロップ状。

香り バルサミコ酢特有の香りで
            程よい酸性の香りを伴う。

味  甘さとからさが程よく共存した
            バルサミコ酢特有の味。



お味と食べ方




バルサミコ酢 モデナ産IGP


味は普通のお酢より酸味が少なくまろやかで、甘みがあります。
より長く熟成されたものと、
最低限の熟成を経たバルサミコ酢が
あるのですが、
長く熟成されたバルサミコ酢の
一番シンプルな使い方は、
サラダのドレッシングとして、
塩、コショウ、オリーブオイルとともにかけ、良く混ぜて食べます。

最低限の熟成を経た若いバルサミコ酢は
煮込み料理の調理の段階に
つかうのに向いています。

そしてモデナでは、
パルメザンチーズを削るのではなくて、
おつまみの様に食べるのに
大きめに切られた
パルメザンチーズの上に
このバルサミコ酢をかけて食べます。

また、魚料理、白身魚や淡水魚を使った料理を食べる際に
少し垂らして食べたりもします。

モデナの郷土料理である
トルテリーニや卵が使用された
生パスタの料理にもかけます。

冬場によく食べられる茹で肉料理には
そのままお肉にバルサミコ酢をかけて
食べたり、
茹で肉料理用に用意された
ソースに混ぜてから、
お肉につけて食べられます。

コンソルツィオI.G.P.のサイトに
きれいな写真とともに
食べ方のアイディアが
たくさん紹介されていますので
ご覧くださいね。

モデナにはたくさんの
ナポリ出身の人達が
暮らしていているのですが、
そのおかげでほとんどの
モデナのピザのレストランは
ナポリ風ピザで
殆どがナポリ出身の人達の家族経営です。
おいしいピザ屋さんがたくさんありますが、
ここにも
モデナのバルサミコ酢I.G.P.が普及しています。

一般のバルサミコ酢よりも濃い
ドロッとしたバルサミコ酢と
ピザの組み合わせです。

すでにピザのメニューになっているので、
自分でかけて食べるのではなく、
バルサミコ酢がピザにかかって出てきます。

じつは、
パンチェッタと呼ばれるイタリアのベーコンと
パルメザンチーズと
ルコラ(ロケット)
そしてバルサミコ酢という
コンビネーションのピザに
はまってしまいました。

そして驚きますが、
バルサミコ酢I.G.P.コンソルツィオ
おすすめなのが
ジェラートやフルーツに
バルサミコ酢をかける食べ方です。

最近は
新しい食べ方にも取り込んでいるようで、
フルーツジュースに混ぜたり、
フレーバーを加えたりと、
試行錯誤をしながら新しい味も
追及しているようです。



伝統的なバルサミコ酢モデナ産D.O.P.



熟成年数が長く、濃度が高く
味も濃縮しているので、

少量を食べるまえに
加える食べ方が一般的です。

食べる直前に加えることで
独特のアロマが逃げず、
食べるときに楽しむことができます。

醸造所で味見させていただき、
年月の経過による味の変化を
実際に体験しましたが、

やはり、
バルサミコ酢だけで味見したより、
最後に試させていただいた
イチゴとバルサミコ酢のコンビネーションは
口のなかで一体となって
それぞれを引き立てておいしく頂けました。

次回はバルサミコ酢I.G.P.の醸造所にも
行ってみたいと思いました。

Arrivederci!






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