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2018年3月15日木曜日
イタリアの学校 義務教育 編
こんにちは。
今日はイタリアの学校の仕組み、
とくにイタリアでの
義務教育の期間、
とくに公立校の制度について書きます。
イタリアは、私立学校は少なく、
イタリアでは義務教育は
特に公立校が一般的です。
イタリアに留学を考えていらっしゃるかたは、
専門に別れることになる
専門学校、大学、私立の語学学校を
思い浮かべるのではないでしょうか。
外国人留学生についての情報は、
またの機会に書きたいと思います。
まず、義務教育の仕組みですが、
小学校は
その年に満6歳になる1月から12月末に生まれた人が
9月に入学します。
とくに入学式のような
セレモニーは見られません。
初日には
自分の席で
記念の写真
を撮ったりするくらいです。
それも、
担任の先生が撮ったり、
家族が撮ったりと
その時々によります。
ここから、
細かいことが
決まっていない中での
集団生活が開始されます。
近年、少しずつ、
週五日制が
普及されようとしていますが、
まだ、土曜日も学校がある
週六日制が多数をしめています。
やはり、
これには簡単には移行できない
理由が
いくつかあります。
ほとんどの学校は
昼の13時前後に終わり、
昼食は家で食べることになっているため、
時間を延長して、
土曜日の授業を盛り込もうと思うと、
週に最低二日は
午後も授業をしなくてはいけない
という計算になるということです。
そこで、
最大の課題は
給食です。
お弁当は論外の上、
給食の設備がないため、
外部からの持ち込みになりますが、
日本と違い
教室で食べたりすることはなく、
食堂で
全校一斉に
給食を食べることになり、
食堂のない学校(ほとんどの学校)は
視聴覚室のような広い教室に移動し、
給食を
みんなで
食べるのですが、
もともと、食堂ではないので、
給食時だけ、席を準備したりと、
とっても手間がかかることになります。
また、給食はオプションとして提示され、
希望しなければ、
いったん家に戻り、昼食をとり、
午後の授業開始ごろに
学校に再登校する
ということが行われ、
家に帰る人がいたり、
学校に残る人がいたりで、
複雑さがまします。
また、学校から出る時には
18歳以上の大人に
同行されなくてはいけないので、
つまり
誰かが学校まで連れに行って、
昼食後学校まで送っていくということが
働く人には難しい時間帯に発生します。
集団登下校はなく、
学校から出るのに、
先生たちは
付き添いの大人を確認しながら、
生徒を送り出す
ということをしています。
付き添いがいらず一人で学校から家に帰るには
3年生ぐらいになると、
誓約書のようなものを保護者が提出し、
自己責任で
家に帰るということを
示さなくてはなりません。
初めから
全員に一つの決まり事を提案する
という統一性よりも
個人の事情に柔軟に
自己責任であれもこれも
という選択がしばしばあり、
ファジーな対応に
気を付けないといけません。
このような中、
娘は小学校の時、
体育の授業が
自由参加だと思い込み、
先生が指示すると、
「わたしは今日はしません。」
などと、言って
参加しなかったりしていたようで、
「体育も授業の一つだということを説明しておいてください。」
と注意されたりしました。
そうか。そこはファジーじゃないんだ。
小学校は5年で終了するので、
満6歳から満10歳を過ごします。
次は中学校です。
満11歳の年の9月から始まり、
3年間続きます。
ここでも同じく
週五日制が少しづつ普及しています。
少し大きくなったということで、
午後14時まで授業で、
昼食はご家庭でという仕組みで
小学校より
転換がスムーズにいっているように思われます。
でも14時に終わって、
家に帰って食事となると、
14時半ごろの昼食になります。
その後、
授業はありませんが
その分、
家で自分で勉強してね
という仕組みで
大量の宿題が与えられます。
ここで宿題をする人としない人の間に
大きな学力の差が
発生してしまうことがあります。
せめて学校にいるなら、
授業がある限り、
みんな勉強する機会が強制されますが、
ここも自分でする選択が
その後の結果を
大きく左右することになります。
でもまだ11歳から14歳です。
現在でも毎年数人、
落第してしまう生徒たちがいるのが現実です。
イタリアでは義務教育は6歳から16歳です。
ですので、中学を無事に卒業しても、
あと2年は義務教育(無料で受けれる)
ということになります。
ただ、
高校入試はありませんが、
中学卒業試験があって、
これにパスしなければ、
卒業できなくなり、
もう一年中学に通うことになります。
いま言ったように、
高校入試はありません。
ですが、
自分のやりたいことや、
将来どうしたいのかや、
中学校の成績などを考慮して
高校を選ばなければなりません。
普通科は少なく
高校から細かく専門に分かれていきます。
とはいっても、
13歳、14歳の中学三年生が
自分の将来について
確信を持っている人たちは
ごくわずかです。
日本でいう、
普通科のほかにも、理系や言語系、事務系でも、
基本となる科目をこなし、
自分の進みたい分野が変わっても、
大学で全然ちがう学科
を選ぶこともできます。
それは
それぞれの
高校のプログラムによるので、
中学三年生になったばかりの10月ごろから、
それぞれの高校のオリエンテーションに
各自参加したりして情報を集め、
自分たちで
どれが一番自分に合っているのかを
考えなければなりません。
もちろん
学校の先生や保護者が一緒になって考えますが、
ここで
自分は将来なにがしたいか
を考えてみる機会というか、
自分の将来についての選択をするという
責任が発生してしまいます。
早くも
人生の自分で選択が始まりますが、
選択されるのがいいのか選択するのがいいのかは
意見が分かれるところです。
自分で選択したとしても、
一年目で落第してしまい、
また一から学校を変えて、
仕切りなおすこともたびたびありますが、
結局若い時の一年は
自分で自分を理解する上で、
無駄な一年ではなかったということで、
もう一度でも二度でも入試がないので、
チャンスが与えられることになります。
高校もまだ週六日制がほとんどですが、
最近は何日か午後に授業を行い土曜日はお休み
という方向に切り替える傾向がみられます。
そんなこんなでイタリアの若者たちは義務教育を受けています。
場所が変わるとこんなに違うのですね。
でも、高校は5年制ですので、
無事ストレートで卒業すると、
大学は日本と同じ18歳からの
入学になります。
そう。
日本と同じです。
ただ、9月入学です。
ちなみに、
18歳からは成人とみなされ、
日本より2年早く、
法律上大人の中に入ることになります。
では、最後までありがとうございました。
arrivederci!
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