2018年5月16日水曜日

イタリア観光 アウロンツォ ディ カドーレ と ミズリーナ

イタリアアルプスドロミテの中で

最も知られているものの一つは
疑いなく

トレチーメ ディ ラヴァレード

です。(イタリア名)
世界遺産にも指定されていますが、
ドライ チーメン(ドイツ名)や
スリー ピークス(英語)という
名前でも知られていて、
要は3つの頂上、山頂という意味があります。
実際にチーマ オヴェスト、
チーマ グランデ、
チーマ ピッコラ
(写真右側から)という名前がそれぞれの
の山塊についています。


北側からの眺め
トレチーメ北側からの眺め



あの3つの頂上が鋭く並ぶ様子は、

イタリアでもチョコレートの宣伝に
使われたりして
ドロミテの象徴です。

ですが、今回は山歩きではなく、
このトレチーメのある町

アウロンツォ ディ カドーレ

について見てみます。





では、イタリアアルプスのドロミテで
有名な町はどこでしょうか。

代表はコルティーナ ダンペッツォでしょう。

アウロンツォ ディ カドーレ
という町を
聞いたことがある人は
少ないと思いますが、
じつはこの町(コムーネ)に
トレチーメの半分強が位置しています。
(もう半分はアルトアディジェ州側になります。
アウロンツォはヴェネト州です。)

車で山に入るには、
このアウロンツォ側が
唯一の車で通れる道路となっていて、
車の通行料を払い、
アウロンツォ山小屋の駐車場まで
車で入れます。
バスもアウロンツォ、
コルティーナ、
ドッビアーコから出ています。

アウロンツォはコルティーナの
お隣の町ですが、
その美しさは日本にまでは
まだ知れ渡っていないように思います。

今回は一寸ニッチな
アウロンツォの町(コムーネ)、
そしてアウロンツォ町(コムーネ)内にある
アウロンツォよりも有名な
ミズリーナについてご紹介します。

アウロンツォ ディ カドーレ
(ヴェネト州ベッルーノ県カドーレ地方)

標高866m 
人口 約3千人
   (夏の観光シーズンは10倍に膨れ上がるといわれています。)



この町に着くともちろんドロミテの山々
ヤルノラ、クロダ ディ トーニ、
そしてトレチーメがすぐに目に入って来ます。


ヤルノラ


トレチーメとクロダ ディ トーニ


うおー。山に来たー。
という感情が沸き上がってきますが、
ベッルーノ方面からカドーレ地方の谷間を通って
アウロンツォに着くと、
大きなエメラルド色をした湖を
見ることができます。

ダムにより生み出された湖ですが、
この不思議な色に魅了されます。

アウロンツォの町は夏になると
たくさんの年配のかたや家族ずれが
山登りでなく避暑にも訪れます。

この町に1,2か月滞在して
夏の暑さを乗り越える年配のかたが
ヴェネト州からたくさんやってきます。

ほとんどの人がリピーターで
30年以上毎年来られる方も多く、
孫の世代まで一緒に3世代で
アウロンツォに来られる人もたくさんいます。

夏も気候が良く、夜涼しくて眠りやすく、蚊も見られません。

7月にはプロサッカーチームの
ラツィオやスパル(どちらも現在セリエA)も合宿にきて、
サッカーファンでに賑わいます。

練習や交流試合なんかも見れます。
大体7月の3,4週目でしょうか。
ホテルやアパートも一杯になって、
静かな町がいきなり活気づきます。

毎週色々なイベントを開いて、
2,3週間に一度は
交通規制をして車の通行を止めて
夕方から
道沿いにたくさんの出店を出したり、
ライブを開いたりする
ノッテ ビアンカを開き、日本の夏祭りのようです。

毎年8月15日には花火が打ち上げられ、
アウロンツォ湖、
別名サンタ カテリーナ湖にうつるすがたは
夏の日本の花火を思い出させます。


ソンマディーダという森

アウロンツォの街中からミズリーナへ行く道沿いに
ソンマディーダがあります。

ここは1972年から国の保護区になっています。
この年以来、森林の伐採や人の手を加えることを
禁止していて、森が自然の状態で生存しています。

野生動物もたくさん生活していて、
森のすぐ横にある道路に
ひょっこり狐やシカが現れます。

ここでは指定された森林道を散歩できます。
森には勝手に侵入しては行けませんが、
道からもたくさんの種類の木、花、キノコ、動物の足跡
などが見れます。


ソンマディーダでみたきのこ


森を管理している方が
ガイドをしたりする催しもあります。
興味深いですが、イタリア語のみとなります。

さて、アウロンツォの町はずれ

レアーネ地区にはスキー場があります。

このスキー場のあるアグード山(1573m)には
山小屋があり、冬と夏リフトが運行している間
開いています。




アグード山からの眺め
アウロンツォの街から見た
アグード山と山小屋


ここからの眺めはパノラマ360°で
ドロミテ山脈を見ることができます。

冬はスキーですが
夏にはスキーのゲレンデに
ファン ボブといわれる
ボブスレーがレールの上に乗ったような
自分で速度を調節できる
ジェットコースターのようなものが
設置され下までいっきに
降りることができます。
結構楽しい。。。

アグード山の麓にはアスレチックもあります。
木と木を渡り歩くようなものになっています。









ドロミテの山にお越しの際は
アウロンツォに滞在してみるのも
楽しいと思います。


ミズリーナ


アウロンツォよりも有名と思われるミズリーナは
アウロンツォの町内(コムーネ内)にある
地区で、ミズリーナ湖はその美しさで有名です。
冬になると完全に氷ついてしまい
湖が自然のスケート場と化します。
これを見ると、とっても幸せな気分になります。
わくわくしますね。




冬のミズリーナ湖

もちろん湖は夏も美しく湖をバックに
トレチーメを堪能することもできます。

ミズリーナには
夏の登山シーズンと
冬のスキーシーズンにリフトが運行され、
これに乗ると
コル ディ ヴァルダ(標高2,115m)にある
山小屋に到着します。

ここからの眺めは壮大で、
トレチーメ、クリスタッロ、マルマローレ(ソラピスで有名)、
トファネ(コルティーナのマルモラーダ)、
トーレ ディ スカルピエリ(セスト、アルトアディジェ州)
を見ることができます。

このリフトを使うスキー場は
春のイースターの時期まで、
開いています。

この辺りではここと、
コルティーナのファラリアぐらいです。

ミズリーナに来ると
立派なホテルの様な建物が目に入りますが、
病院兼宿泊所になっていて、
子どもたちの
喘息治療が行われています。

空気がミクロ気候の影響で喘息治療に良いそうです。
空気がいいんですね。

この自然の恵みの湖ミズリーナ湖では
なんと1956年にコルティーナで開催された
冬のオリンピックでスピードスケートの競技が行われたそうです。

温暖化の影響に負けないで
またやって欲しいですね。

ミズリーナ地域にはほとんど住民はおらず、
ホテルや宿泊施設、レストラン、お土産店、スーパー、お店が並んでいます。

ミズリーナ湖の周りはぐるっと歩けるようになっていて、
高低差もなく、お散歩がてらにぶらぶらできますが、
結構 道はガタガタなので、
ベビーカーはおススメできません。
かなり苦労します。抱っこ紐なんかがいいでしょう。


ミズリーナが出発点のトレッキング

このミズリーナは、

トレチーメ、
モンテ ピアノに
入山していく入口になっています。

この美しい姿とは裏腹に第一次世界大戦では
国境の激戦地で寒い冬この山で兵士たちは
寒さと攻撃に耐えていたのですね。

モンテ ピアノには今でも
イタリア、オーストリア両方の
塹壕があります。
実際に歩いて回れるようになっていて、
こんな自然の厳しいところで
こんな戦いがあって
たくさんの若者が命を落としたと思うと
現在の山の観光地の姿からは
想像していなかった
ギャップが見れます。

トレチーメは訪れても
お隣のモンテ ピアノを訪れる人は
あまり多くありません。
最近はジープでミズリーナからの
送迎があるので、
歩くのが苦手でも
山頂まで連れて行ってもらえます。

ここから横にあるトレチーメを
同じくらいの目線から見るのも
また良いでしょう。


ミズリーナから、アルトアディジェ州のドッビアーコ、
コルティーナ、アウロンツォの町方面へと道がつながっています。
観光シーズンはバスも運行を増やすので
便利です。

次の機会には
トレチーメ、ソラピスなどの
トレッキングをご紹介します。


Arrivederci!


   



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