2018年5月9日水曜日

イタリア観光 クラテッロ ジベッロ産 見学


クラテッロ ディ ジベッロクラテッロジベッロ産とは何か。


プロシュートクルード ディ パルマ

プロシュート パルマ産
の生ハムはあまりにも有名です。
それに比べると

クラテッロはニッチな市場ですが、

わたしが訪問させていただいた
クラテッロの生産者の方自身がおしゃっていたように

クラテッロは、もともと量産できるものでないので

知って下さって本当に気に入ったと思った
お客様がリピートして毎年買いに来てくれるだけで
完売してしまう程だそうです。

お値段は地元でも100gが9€ぐらいと高価な物ですが、

わたしが訪れた所では他の店に出さず直接販売しかしていないそうです。
まさに食通のかたに捧げたいたべものです。


クラテッロ ジベッロ産 塊とスライス





クラテッロは一口で言うと

ぶたのお尻の部分の肉で作った生ハムです。
プロシュートは太もも部分の肉です。

大きな違いは使う豚肉の部位の違いにありますが、

それだけではなく、
クラテッロ街道と呼ばれる狭い地域でしか
本物のクラテッロは生まれないのです。

クラテッロ ジベッロ産の故郷


それはポー川沿いの風通りの悪い湿気の多いい土地。

夏も冬も湿気で充満している空気。
冬は霧に覆われ、夏は湿気と暑さに覆われます。

これにより発生する素晴らしいカビ。

カビというと嫌な感じですが、
このカビがないとクラテッロは存在しません。

たった3㎞ほどこのクラテッロ工場から離れると

そこはもう丘陵地で地中海からの風が流れ込み
クラテッロは生産できないそうです。
そこはプロシュートの生産地となってしまいます。


クラテッロの材料と職人技



豚肉のお尻の部分、塩、コショウのみ。

これをぶたの膀胱にいれて貯蔵室で休ませ成熟させます。





貯蔵室で熟成するクラテッロ


この時の塩加減は一つ一つの固まり肉の大きさや重さを

考慮に入れながら手作業で調節していくという職人技です。
ここのご主人は塩は最低限にして
肉の甘みを感じてもらえるように
調整しているとおっしゃっていました。


クラテッロになる豚




ロンバルディアとエミリア地方で生まれ育った
ぶただけなのだそうです。

生まれた時から番号が付けられ、

餌もすべて管理されています。
製品となったクラテッロには
すべて品番がついていますが、
この番号から生産者、
そしてぶたがどこで生まれて
何を食べて育ったのかまで分かるそうです。


精肉は秋から2月末まで



約1年後に成熟したクラテッロとなります。
そのころには重さがもとの
半分ほどになっているそうです。

クラテッロが完成するまでには

上手く熟成してきているかどうか
確認するために

木槌でたたいてその音を頼りに
判断していきます。

そしていよいよ完成で出荷する
という時になって
はじめて、
馬の骨から作られた太い針状のものを
クラテッロにさして、

その取り出した針の香りで
熟成度を確認するそうです。


クラテッロ ディ ジベッロ のコンソルツィオ

(組合の様なもの)




コンソルツィオ チュテッラ デル クラテッロ ディ ジベッロ



2009年に発足。クラテッロ ジベッロ産の普及。

全てのクラテッロDOP にコンソルツィオの認定札をつけることで
類似品や模造品からクラテッロ ジベッロ産(DOP)を守るべく発足。
下の写真に見える豚の絵のついた丸い茶色い札がこのコンソルツィオの認定札です。


アンティキ プロドゥトーリ ディ クラテッロ ディ ジベッロエ デッラ スパッラ クルーダ



この組合に加盟している生産者は

規則としてクラテッロの仕込み時期を9月から2月と指定しています。
(肉の熟成に適した季節と伝統にもとずく飼育方法で豚が大人になる時期)
精肉された特徴的な洋ナシの形をした塊肉になり、
約10日後に肉に塩を加え、
豚の膀胱に入れ、紐で網状に編み上げられます。
これを熟成させるためにカンティーナと呼ばれる
貯蔵室にぶら下げます。

ここで霧が多い冬と

湿気が多い夏を過ごします。
こうして翌年の冬に
クラテッロ ジベッロ産が
ようやく食卓に並ぶことになります。

下の写真の卵型の赤色の入った札が認定札となります。




丸い札と卵型の札は本物の証拠
商品連番もついています



クラテッロの歴史



古いもので文献には残されていませんが、
古代ローマ時代にローマ兵たちが北上していた時の
大切なプロテインの補給として食べられていた
保存食であった肉は
クラテッロだったといわれているそうです。

ですがこれは文献としては残っておらず、

文献に示されたものでは、一番古いもので
1735年に記録されたものがパルマ市役所に残っています。

何事も知りたいと思うと奥が深いものですね。

生産者のかたは誇りをもって
クラテッロを生産されていました。
これからも伝統を守り、
おいしいクラテッロを末永く
生産していってほしいと思いました。


最後になりましたが

わたしがお邪魔した生産者のかたです。
サルミ ミノッツィ(Salumi Minozzi )
Frazione Frescarolo, 116
Busseto(PR)
www.salumiminozzi.it

鉄道駅フィデンツァからタクシーで30~40分かかります。

運賃は片道30€でした。
フィデンツァにはアウトレットもあるので、
興味のある方は午前中クラテッロ工場見学、
その後、地元でランチ、
午後はアウトレットという一日を満喫してはいかがでしょうか。

クラテッロ ディ ジベッロはもちろん、

さすがはエミリア地方
美味しいものがたくさんあります。
ちなみにわたしはほうれん草とリコッタのトルテッリを頂きました。





平野の何もないところにポツンと
現れます。



生産工場、貯蔵庫、販売店、住居が一つになった
まさに家族経営

1976年にアンジェロおじいさんが生産を始めたそうです。


最後の最後になってしまいましたが、

一緒にクラテッロ ディ ジベッロを
見に行こうと言って下さったTokoさん
に感謝!!

Arrivederci!



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